✦芸術作品をフォーカシング
あべトレーナーによるコラム「フォーカシングのある暮らし」では、「芸術を味わう」と題したアートをフォーカシングする提案をしています。
これにちなんで、今回は、ポストカードや写真集、画集を例にして、フォーカシングすることを取り上げようと思います。
心惹かれるもの、気になるもの、あるいは、エネルギーを感じる作品ひとつを選びます。
そして、その選んだ作品についてフォーカシングしていきます。
選んだ作品を眺めてみて、どんな感じがしてくるでしょう。
この作品のどこに惹かれたのかな?どこが気になるのかな?と自分自身に問いかけてもいいかもしれません。
この作品で、私らしいところはどこかな?そんなふうに問いかけてみるのもよいでしょう。
この作品の世界にいる自分を想像してみるのも、よいでしょう。
なにか見つかったら、まずはああ、そうなんだねと分かってやりましょう。
そうして、その感じ全体をゆっくりていねいに感じてみましょう。
選んだ作品の自分にとってのタイトルみたいなものを見つけてみてもいいかもしれません。
<役立つかもしれない、フォーカサーが自分自身に問いかけるためのフレーズの例>
- 特に気に入っているのは、どこだろう?
- 私にとってこの作品が表していることはなんだろう?
- ここまで話してきて、今ちょっと時間をとって、からだでは何を感じているかな?
- 一番大事にしたいことはなんだろう?
- なにか私の生活とつながりがあるだろうか?
- 生活の中で、こんなふうに感じられることがあるかな?
- この作品が、私に伝えようとしていることがあるとしたら、それはなんだろう?
あなた自身にとってのユニークな意味、作品とご自分との思いがけないつながり、日常生活がより生き生きとするヒントが浮かび上がるかもしれません。
このワークを創案したエルフィー・ヒンターコプフは次のように述べています。
一人の芸術家が深いところから自分を表現したものは、他の人をも深いところに導くようです。深いところに触れてフォーカシングすると、その芸術作品に導かれて私たちは内側や周りのより広い次元を体験することができます。
(ヒンターコプフ、2013)
人生そのものに深さと広がりを与えるようななにかを発見するかもしれません。
参考書籍:
- エルフィー・ヒンターコプフ著、日笠摩子・伊藤義美訳『いのちとこころのカウンセリング—体験的フォーカシング法』(2000、金剛出版)
「宗教的霊的な芸術作品についてのフォーカシング」p.164-165 - 『フォーカシングはみんなのもの—コミュニティが元気になる31の方法』(2013、創元社)
エルフィー・ヒンターコプフ(日笠摩子訳)・森川友子著「アートをフォーカシングする—絵はがきを利用して」p.100-101 - 村山正治監修、福森英明・森川友子編著『マンガで学ぶフォーカシング入門—からだをとおして自分の気持ちに気づく方法』
大出美知子著「ポストカード・フォーカシング」p.99-101
*上記のようなやり方は、例えばタロットなど各種カードになどでも応用しやすいと思います。気になる1枚を選んだり引いてみてはいかがでしょう。