✦シリーズ:フォーカシングが上手くなるために・・・???(2)

【その2 批評家さんとのつきあい方】

フォーカシングセッションがうまくいかないと感じる時は、どんな時でしょう?

フォーカシング教師のアン・ワイザー・コーネルは、フォーカシングを妨げるものの1つとして、自分自身を批判する内なる声、批評家をあげています。

アンは、

「批評家とは、人に恥をかかせるような非難によって攻撃をかけてくるあの内なる声のことです。」

「あなたの内なる批評家さんが、どんなふうに聞こえるか、どんなふうに感じられるかを、少し時間をとって思い出してみてください。
批評家さんは、あなたの良心として、あなたを良いほうに持っていくあなたの一部として、あるいは理性の声として、受け入れてもらいたいのです。」

と書いています。

では、実際に内なる批評家さんと、どうつきあったらいいのでしょう?

まず、自分を批判している部分、批評家さんに気づくことです。
ただ気づいて、そこに批判があることを認めてみましょう。

アンは、認めることは、プレゼンスの状態に入っていく、基本的で驚くほどパワフルな方法だとしています。

そう、ちょっと耳をふさぎたいような言葉、批判とつきあうためには、自分自身がプレゼンスの状態でいることが必要です。

そして、それがセッション中だとしたら、批評家さんに、ちょっと横によけていてもらえるようお願いするのがセオリー。

もちろん、批評家さんの声が大きければ、セッションのメインストリームの妨げになりますから、横によけていてもらうことは、セッションを進めるうえで有効です。
自分自身がプレゼンスの状態であれば、おだやかにおちついたフォーカシング的な態度で、批評家さんにお願いすることができるでしょう。

その一方、批評家さんによけてもらった『ままで』いることは、私たちの良心であり、私たちの一部を、ないがしろにしているともいえます。

もし、自分が伝えたいことがあって、一所懸命伝えようとしているのに、いつもいつも後回しにされていたらどうでしょう?
邪険に扱われたら?嫌な気持ちがしませんか?

批評家さんが登場したセッション中でも、あるいは、改めて批評家さんの言い分を聴く機会を持つのでもかまいません。
プレゼンスの状態から、なにかを伝えたがっている批評家さんにやさしく、敬意をもって、その言葉に耳を傾けてみませんか?

批評家さんの声、言い分を聴くことで、私たちは、自分の一部(それはちょっと口が悪くてつきあいにくかったり、批判的で聞き入れにくかったりするかもしれませんが……)と仲良くなり、自分自身をより深く知り、より深くプロセスを進めることができるようになります。

批評家さんは、やっかいに感じられますが、つきあってみると、実は、とても深いいい奴なのです。

(文責 あべ)

トゲトゲしたウニのような画像

*参考*
2025年1月11・12日(土・日)に開催する「セルフガイド・ワークショップ」では、こういったセッションの行き詰まりにつながりやすいことについて、ていねいに扱っていきます。
詳細は、下記ページをご覧ください。

フォーカシング・ワークショップのご案内