✦体験過程を踏まえた傾聴についてお話ししました

トレーナーの堀尾直美です。
2023年9月16日(土)の午後、一般社団法人日本産業カウンセラー協会神奈川支部さんの月例会で講師を務めました。

題目は「傾聴を本当に役立てるために〜フォーカシング・プロセスを踏まえて」

3時間で、内容は、

  • 効果研究における共通要因のうち関係性に関わる各要素とPCAの実践のつながり
  • 傾聴の効果を支えるものとして、フォーカシング・プロセスを踏まえた傾聴と体験過程尺度と「しっかりここ(クライアントの前)にいること」

です。

実際に体験的傾聴にトライする実習も予定していましたが、質問と応答が結構盛り上がり、時間が押して、省きました。
実施後のアンケートを拝見し、せめて解説だけでもするべきだっと反省しました。今後に活かします。

「PCAの傾聴」が何をもたらすかに加え、自分としてぜひお伝えしたかった

  • 傾聴=「聴くこと+応答」、そして、応答は非言語な表出を含む
  • 言葉の奥のその人・その人が感じていることを聴くように努め、だからこそ尚更理解の確認が必要
  • 「しっかりここにいる」ことが実践の土台
  • 傾聴は、関係性を創るdoingでもある

の4点についてお話しする機会を頂戴し、とても感謝しています。

参考書籍として、下記をご紹介しました。

◆フォーカシングを心理臨床に活かす(フォーカシング指向心理療法)

久羽康・堀尾直美「第8章 フォーカシング指向心理療法」日本心理療法統合学会監修、杉原保史・福島哲夫編『心理療法統合ハンドブック』2021、誠信書房
(概要/アセスメント/変化のメカニズムとプロセス/治療関係/介入技法/臨床例/効果研究の項目に分けて、コンパクトに13頁で書いています)

内田利広『フォーカシング指向心理療法の基礎—カウンセリングの場におけるフェルトセンスの活用』2022、創元社

◆体験過程尺度

池見陽『心のメッセージを聴く—実感が語る心理学』1995、講談社

池見陽編著『傾聴・心理臨床学アップデートとフォーカシング—感じる・話す・聴くの基本』2016、ナカニシヤ出版

坂中正義編著『傾聴の心理学—PCAをまなぶ:カウンセリング/フォーカシング/エンカウンター・グループ』2017、創元社

◆来談者中心療法の実践

中田行重著『臨床現場におけるパーソン・センタード・セラピーの実務—把握感 sense of grip と中核条件』2022、創元社

「傾聴を本当に役立てるために〜フォーカシング・プロセスを踏まえて」スライド画像

一般社団法人日本産業カウンセラー協会神奈川支部さんは、来談者中心療法・パーソンセンタードアプローチ(PCA)関連の研修講座を毎年複数企画しておられます。
(全てがそうではないかもしれませんが)会員でなくても申し込めます。

研修講座・セミナー

中には、滅多にない機会もあります。例えば、

[オンライン]来談者中心療法とフォーカシング指向療法の最先端を学ぶ~ジェンドリンの『プロセスモデル―暗在性の哲学』の世界~
講師:末武康弘氏
2023/11/25(土) 9:30 ~ 16:30
*9/21から申込が始まっています。

関心をお持ちの方は、半期に1回くらいはチェックされることをお勧めします。

(文責:堀尾)